実は「期待報酬」が正しい
過日、ある集まりがあって あんまり気がすすまなかったんだけど ちょっと顔出ししてきた。
そこで 僕が人材関連の仕事をしているって ききつけた 初対面の人が こんなことを聞いてきた。
「良い社員って、どんな社員なのか?」
「さぁ、会社によっていろいろじゃないですかね……(なんやねん このオッサン)」
「それはカンタンだ。会社に利益をあたえる 能力ある社員だね」
「……はぁ、そうでしょうね」
「だから、毎年毎年 能力に応じて給料だす。俺の会社はそうしている」
なんか 聞いたら 不動産関連の社長らしい。
あんたの会社のことなんかしるかいな。 こういうの相手にするの嫌いなんだよね。
「へぇ、儲かってるんですね。能力に応じて給料もらえれば社員はいいですね (適当にこたえてるだけだけど)」
「どうして 他の会社は能力主義じゃないんだ? そうすればいいだけじゃないか? そしたら あなたみたいな仕事する人なんか、いらないんじゃないか?」
あぁ そういうことか。
こいつ ケンカ売ってるのね。
要するに 能力に応じて給料だせばいいだけだから、僕のような能力開発するような人って俺はいらんとおもってる、ってことね。
なら、そういえばいいのに。
こういう もってまわった言い方 会社でしてんだろうね。
まぁ でもこういうケンカは実は僕はつよいんだよね(笑)
「能力ってどうやってはかるんですかね?」
「カンタンだ。利益あげた社員が、能力が高い。それだけ」
「じゃ 1年で1000万の利益あげた社員と 1年で500万の利益あげた社員じゃどっちが能力高いんですか?」
「そりゃ 1年で1000万でしょ。500万のヤツは給料半分でもいい」
「じゃ、500万の人が じつは営業のたねまきをいろいろやって 5年後に1億の利益あげたとしますね。 どっちが能力高いんですか?」
「……そりゃ 1億あげたほうだろ」
「あれ、おかしいですね。最初の5年間は1年で1000万の社員が能力高くて 5年後にはあとの社員が高くなる。でも、あとの社員は5年間ずーっとたねまきしてたから そのあいだの能力は高かったんじゃないですかね?」
「……うん、まぁ……」
「つまり 成果だけで能力は、はかれませんよね。 どうやって能力はかるのかな。 能力給なんていっているのは 全くの嘘っぱちってことになりますね」
「……ふーむ、能力…成果……うん…」
面倒くさいので 僕はトイレにいって ちょっと適当に挨拶して帰った。
その社長は
「なかなか、おもしろかった」
とか ぜんぜん面白く無いセリフで 最後までエラそうだった。
よくかんがえると、僕もたいしたこといってない。
( というより、かなり酷い論理である )
社長が「成果=能力=給料」って 単純なかんがえをもっているアホだったので その矛盾をついただけなんだけどね。
僕自身は、給料とか報酬とかを相談される立場にないんだけど、ときどき意見を求められることもある。
そこで 話をしているのは 基本的な 大前提があるんだよね。
それは
「 成果によって決まるのではなくて、期待によって決まる 」
ってことだよ。
つまり 今後もこれくらいの働きをしてくれるだろう という期待で決まっていて、それは成果による報酬じゃないよ。
成果による報酬って かんがえるので ややこしくなるんだけど 「 成果を参考にした期待値 」が報酬になるってかんがえた方が、わかりやすい。
だから 本当は 「成果報酬」 じゃなくて 「期待報酬」 なんだよね。
そして 「期待報酬」のほうが、成果のでる行動をひきだしやすい。
実は これは給料だけじゃなくて いろんな行動の原理原則なんだけど オッサン社長のせいで長くなったので この話はまたこんど。
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