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2013年7月11日 (木)

こんなに凄い小説 「いとうせいこう 想像ラジオ」

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想像ラジオ いとうせいこう

 

 

ちょっと なんていっていいかわからないくらい感動した。

 

 

いろんな人が 3.11について 小説を書いたり 映画をとったり ということがでてきてるんだけど それらを体験しているときに感じることがあるんだよね。

 

 

それは 直接体験していない 作家や映画監督が切り取った作品に 単純に 「これは 良い小説だ」「よい映画だ」といっていいのだろうか? という疑問なんだよね。

 

 

つまり 3.11について 直接体験していない人がつくったものを 同じく直接体験していない自分が 何らかを感じることというのは それは まるっきり意味がなく 3.11を体験した人にとって ぜんぜん違ったものではないか?  という 根本的な疑問なんだよ。

 

 

もちろん 体験者と 非体験者とは どれだけいっても同じ気持を共有することはできないんだけど 小説や映画をみて感じる 

「他者の表現したものに対して 素直に共感していいのか?」

というおもいが とくに他の3.11作品にはあって それが 

「いい映画だとおもうけど 本当はどうなんだろうね」 

「良い小説なんだろうけど、本当に今かんじていることが 正しいんだろうか?」

って疑問からは なかなか離れられなかった というのが正直なところなんだよね。

 

 

やっぱり 非体験者としての僕もそれくらい3.11は 大きな出来事だったし だからこそ 体験している人々のことが想像できないっていう状況なんだとおもう。


 

この 「想像ラジオ」では その「葛藤」が描かれていく。

 

 

「ナオ君の意見に私は息をのんだ。彼はボランティアを続ける中で実践的に自分の考えを形成しているだった。対して私は軽々しい人間だと思った。ただ、事態に関係のない者が想像を止めてしまうのが本当にいいことか、私にはまだ引っかかりがあった。何か言わなければと私は言葉を探した。」 (本文 第2章)

 

 

「そして、放送が聴こえていない人たちに僕らは常に語りかけるべきなんです。いつ彼、彼女の耳に僕らの声が届き始めてもいいように。つまり、聴こえるきっかけを作るって言った方がいいかもしれません。」 (本文 第3章)

3.11に対して感じていた 「引っかかり」が読んでいくうちに すこしずつほぐされ ほどけていき そして、自分自身がどうやって 向き合っていけば良いのかをすこしずつ考えさせられていく。

 

 

死んだ人と生きていく人とが 「どう向き合って生きていくのか?」ということを深く深く考えされましたよ。

ありきたりなんだけど 「死者とともに生きる」というのがどういうことなのか 考えて生きることって それが生きていくっていうことの本質なんじゃないか? とか書いているとあたりまえすぎて はずかしいんだけど でも 言葉だけじゃない 想いの重みを感じることができたとおもうな。

 

 

想像ラジオ いとうせいこう

 

 


著者の いとうせいこう氏は16年ぶりの小説だそう。

 

僕は 処女作の「ノーライフキング 」を 発売後すぐ読んで とてもおもしろかったんだけどそのあとの本は追いかけてよんでるわけではない、、、、、程度の読者。

 

 

こんどの 芥川賞候補らしいんだけど 間違いないんじゃないかなとか おもうけど。どうかな?

 

どうやって選ばれるのかわからないけど ここんとこの選ばれた作品とくらべても 群を抜いて凄い作品だとおもう。

 

やっぱり 日本人として 経済的にも、文化的にも、政治的にも 「震災後をどう生きるのか?」ということが いちばん大きなテーマなんだな と再認識した。
(だから 村上春樹の新刊にもちょっとがっかりしたけどね)

 

芥川賞に選ばれたら 書店からすぐなくなるから 今のうちに買っておいたほうがいいかもね。

 

少なくとも 僕は 今年読んだ小説では 間違いなくNO1ですよ。


 


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