超ド級のおもしろさ! 横山秀夫「64(ロクヨン)」
今年のミステリで とにかく読んでおくべき2冊(というか、2作品)は、宮部みゆきの ソロモンの偽証 とこの横山秀夫の 「64(ロクヨン)」でしょう。
宮部みゆきの「ソロモンの偽証」は なんといっても 1冊700ページ以上が3冊!だからね、、、 ちょっと時間があるときでないと、、、それで こっちを読んでみたんだけどね。
「64(ロクヨン)」 横山秀夫
ちょっと あらすじを紹介してみる
(文藝春秋社の「担当編集から」の引用)
↓ ↓
D県警の広報が記者クラブと加害者の匿名問題で対立する中、警察庁長官による、時効の迫った重要未解決事件「64(ロクヨン)」視察が1週間後に決定し
た。
たった7日間しかない昭和64年に起きたD県警史上最悪の「翔子ちゃん誘拐殺人事件」。
長官慰問を拒む遺族。
当時の捜査員など64関係者に敷かれたかん口令。
刑事部と警務部の鉄のカーテン。
謎のメモ。
長官視察の日に一体何が起きるのか?
D県警に訪れた史上最大の試練!
組織対個人を緻密に描く横山節
は健在。
怒涛の、衝撃の、驚愕の長編ミステリーをお楽しみに!
(引用終わり)
とにかく、読みはじめて 物語のなかに入り込んだら 読むのをやめることができない。
前半は、主人公「三上」の葛藤や、人間関係を中心に話がすすむんだけど だらだらした印象はぜんぜんない。
むしろ 少しずつ ひきこまれていく感じ。
そして 中盤での 盛り上がりから 終盤の活劇まで いっきにすすんでいくので 読後感は ここちよい興奮のあとの 脱力につつまれるかんじがする。
僕は 横山秀夫氏の本は、半落ち は読んだんだけど 正直いまひとつの読後感だったんだよね。
たぶん それは 登場人物に共感できなくて、感情移入できなかったんだとおもう。
でも この「64(ロクヨン)」の三上には わりと素直に 共感できて 入り込めたのは もしかしたら 僕自身がにたような経験があったからかもしれないな。
女性の登場人物もでてくるんだけど 正直ちょっとありきたりな描写で リアリティは薄い感じがする。
だから この本は 男性はすごく共感しやすいとおもうな。
別のところで 作者がいってたエピソードでは ご本人の脳機能が低下して 主人公の名前もおもいだせないような 状況にもいたった とかいってた。
それが 大げさでないくらい 執筆が丁寧にすすめられていて そのぶん「濃密にすぎる」っておもう人もいるかもしれないけど 僕は 気持ちが入ってよむことができた。
書店で買えば ¥1995 約650ページという 大部だけど その価値は十分にあるはず。
いろんな今年の賞の1位をとっているみたいだけど それにふさわしい メガトン級の面白さだとおもう。
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