最強のコーチング本はこれだ! 「采配」 落合博満
よく コーチング研修なんかで
「なにか コーチングのおすすめの本はありませんか?」
と 聞かれたときには 僕は ずーっと 「中日ドラゴンズの落合監督の 「コーチング」 という本 が一番良いです」と 言い続けてきた。
実際 この本はいまは絶版になっているみたいだけど 数多ある「コーチング本」がすべて色褪せてしまうくらい 素晴らしい本で いまでも その内容は全く古びていないとおもう。
と、いうより この本以上のものは いままでなかった、、、、が!!
そのアップデート版 ともいうべき 落合監督の最新刊 采配 がでた。
この本のがでたおかげで 現在 もっともおすすめできる「コーチング本」は この本になった。
現在 最強 最高のコーチング本だと断言できる。
いくつか 抜粋してみる。
(以下は抜粋)
プロの野球の世界に限れば、私自身は予習はいらないが、徹底した復習が必要だと考えている。
打者の場合は対戦する投手のビデオを事前に見せておくことよりも、実際に対戦した後に自分で感じたことをまとめ、次の対戦に生かしていくことが肝要だ。しかも、そのまとめ方の優秀さが次の対戦結果を暗示すると言ってもいいだろう。
また、この手順は技術を習得する段階にも共通している。
どんな仕事でも、ひとつの技術を身につけていく作業は地味で、相当の根気も必要になる。つまり、技術の習得法には時代の変化も進歩も当てはまらない。胎児が1日、1日と母親のお腹の中で育っていくように、コツコツとアナログで身につけていくものだ。
自分が必要性を感じたほうが技術の修得は早い
この取り組みを振り返って言えるのは、組織を統括する立場になった者は、まず部下たちに「こうすればいいんだ」という方法論を示し、それで部下を動かしながら「やればできるんだ」という成果を見せてやることが大切だということだ。
8年間、監督を務めてきて強く感じているのは、選手の動きを常に観察し、彼らがどんな思いを抱いてプレーしているのか、自分をどう成長させたいのかを感じ取ってやることの大切さだ。自分なりに選手の気持ちを感じ取り、その意に沿ったアドバイスをすることができれば、それが厳しさを含んだものであれ、選手がこちらを見る目は変わる。
「ああ、監督は俺のことを思ってくれているんだ」
そう選手に思わせることができれば、そこから先のコミュニケーションは円滑になるのではないかと考えている。
リーダーにとって大切なのは、仕事を引き継いでいくことよりも自分自身の方法論を部下に明確に示すことではないだろうか。
(引用終わり)
よく コーチングとは やる気を引き出すこと とか 必要なことをみにつけていくプロセスを促進させること とか いわれるんだけど 上に引用した 「技術を身につけるプロセス」は 落合流の言い方がわかりやすい。
1 復習すること (実際にやってみることが先にある)
2 自分自身で感じたことをまとめる。(何がうまくいって 何がうまくいってないか 自分の言葉で検証する)
3 根気よく続ける (コツコツとアナログで身につけていく)
わかるだろうか?
少し 勝手にじぶんなりに解説してみる。
1 復習することが重要。
つまり 実際に相手と対戦してみることが、まず先にあるということ。
コーチング的にも実際にやってみて どうだったか? ということを起点に話をする。
そもそも コーチング的会話って すべて復習なんだよね。
2 自分自身で感じたことをまとめる。
ある意味これは コーチングの会話そのものだともいえる。
引用には書いていないけど 本文を読めばわかるが 落合監督は 「自分の形で理解する」ということを重要視する。 そうでないと 本当の意味でわからないということが よくわかっているんだと おもう。
3 根気良く続ける
本の中で何度も 練習をする、下積みをする、模倣する、繰り返す という言葉がでてくる。
つまり それができる環境をつくっていくことが コーチ、指導者の役割ということだとおもう。
スポーツ新聞なんかで 落合監督のコメントで 例えばエラーが原因で負けたとおもわれる試合なんかで 「あの選手のあのエラーが痛かった」とか そういうコメントはすくなくとも 注意して見ていた僕が知るかぎり ただの1回もない。
これは あきらかに 意識して マスコミの前で選手のミスについて言及していない。
どちらかというと 「オレ流」のようなかんじで ワガママ、まわりの言うことを聞かない、選手に厳しくあたる といったイメージがあるんだけど 全然それとはちがう。
もっとも そんな指導者であれば あれほどの実績を残すことはできないはず。
この本を読まずして コーチングを語る資格は 何人たりともありえない ともいうべき必読の一冊。
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