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2011年2月15日 (火)

歌うクジラ

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    歌うクジラ 上               歌うクジラ 下

 

昨年に 発表された 村上龍の最新作 「歌うクジラ」

やっと 読み終えたので (理由は、、、後述) ちょっとレビュー。

ストーリーのあらましは 以下。 オフィシャルサイト  から 転載

 

 

2022年クリスマスイブ、ハワイ沖の海底で、グレゴリオ聖歌の旋律を正確に繰り返し歌うザトウクジラが発見された。細胞を分析した結果、驚くべきことに、そのクジラは年齢が1400年を超えていることがわかった。クジラの遺伝子を解析することにより、人類はついに不老不死に関わる遺伝子を特定する。その魔法のような遺伝子は、"Singing Whale" 、「歌うクジラ」と呼ばれるようになった。

 それから100年後...。あらゆる階層において棲み分けが完成し、「理想社会」と呼ばれていた日本。アキラという一人の少年が、分断された最下層区域である「新出島」から脱出をはかろうとしていた。アキラは、罪を犯して処刑されることになった父から、不老不死遺伝子「歌うクジラ」に関する重要な秘密を託されたのだった。その秘密情報を書き込んだチップを体内に埋め込み、最上層施設に住むある人物に届けるための、アキラの旅がはじまった。

 単軌鉄道汎用車、飛行自動車、水陸空三用無限軌道車、宇宙エレベーターなどを乗り継ぎ、体内から猛毒物質を分泌する若者、反乱移民の子孫、100歳を超えながら性的な冒険を繰り返す女などと出会い、メモリアックと呼ばれる記憶再現装置で謎の交信を続けながら、何か巨大なものに導かれるように、果てしないアキラの旅は続く。それは、22世紀の「理想社会」の現実を目撃する地獄巡りのような旅だった。

 そして、アキラはついに目的地にたどり着く。しかし、待っていたのは、ある人物の想像を絶する告白だった。青い地球を彼方に眺める宇宙空間で、アキラの最後の挑戦と戦いが開始される...

 

 

 

小説としては 「五分後の世界 」 「ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 」 のほうが 僕は好き。

「半島を出よ」 なんかも 近未来小説で 小説をかいている時代背景だとおもうんだけど だんだん小説のなかの世界が 絶望感をましてくる感じがする。

 

 

読んでいて グロテスクな表現や 残虐なシーンが ひんぱんにでてくるんだけど (例によって) そういった場面が 小説のなかで 日常としてかかれている。

だから 「未来はこれほどひどいものなのか」というおもいが 読みすすめるにつれて わきおこってくるので 余計に 「ヤラれる」感じがする。

 

 

 

村上龍の近未来的な小説の グロテスクな表現は いまにはじまったことではないんだけど 人間そのものの体が 「退化」(あるいは 進化) して 別のいきもののような 体になっている という表現が 最近の小説にはおおい気がする。

けっこう この表現がリアリティをもって伝わってくるので 読んでいてきもちわるい。

 

 

この小説そのものは 「面白い?」ときかれれば 「う~ん 好きな人はどうぞ」という感じ。

上下巻 あわせて ¥3360 という価格は なかなかなものだからね。

 

 

そして なんといっても この小説が 注目されたのは iTunes Store で iPad iPhone 向けに 電子書籍で発売された という点。

 

 

実は 僕は 電子書籍で読んだ。

 

 

ちなみに 電子書籍なら ¥1500 で 紙の本の半分以下の価格。 超~リーズナブル。

しかも 坂本龍一の BGMつき。 

 

 

だから 買うなら 電子書籍がイイですよ、、、、 といいたいんだけど そうでもないんだなこれが。

 

 

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写真は iPad での雰囲気。 

 

 

まず 字が読みにくい。 詳しいことはよくわからないんだけど 現行のiPadでは 解像度不足は あきらかで 少なくとも iPhone4レベルの解像度でないと 字がボケボケで 読んでいて 非常に疲れる。

 

 

字がボケボケというのは もちろん ちょっと見には よくわからないんだけど 1時間くらい読んでいると あきらかに疲れてくるので なかなか 読み進まない。

 

なので 読むのにえらく 時間が かかってしまった。

 

 

僕は iPhoneは 3GSユーザーなので さらに 解像度がよくないため iPhoneでも 読む気はぜんぜんしなかった。

 

はっきりしていることは ハードの問題で 少なくとも 現行 iPadでは とても 本を長時間読むことはできない。

 

 

それから 「坂本龍一のBGM」 って なんか 凄い感じがするんだけど 正直 「へ? しょうもな」って レベルで 本当にごくたまに 「雑音」みたいに なんか音が入るだけで たいしたことはないよ。

 

まぁ 坂本ファンだったら 一応おさえておいても、、、、いや 坂本ファンでも ひつよう無いくらい ちょっとしかないし たいしたことない。

 

 

 

昔 電子書籍ブームが CD-ROM でおこったとき マイクロソフトが「マルチメディア百科事典(笑)」として マイクロソフト エンカルタ  っていう名前で 百科事典だして そして今なくなったんだけど それとおなじような 雰囲気を感じた。

 

 

なんか エンカルタも 鳴物入りで 次世代の百科事典!的な あつかいをされていた。

 

ライオンかなんかを調べて クリックすると ライオンの鳴き声が 

 

「ガオー」

 

って パソコンから 聞こえて もういっかいクリックすると また 

 

「ガオー」

 

っていって  (当時)独身男性の孤独な部屋に パソコンから ライオンの鳴き声がきこえてくる という そこはかとない 哀愁や 寂寥感 もののあはれ などがかんじとれる 実に さみしいものだった。

 

 

正直 「歌うクジラの電子書籍版 坂本龍一のおまけつき」バージョンは それと変わらないレベルのさみしさが 漂うなぁ。

 

 

 

基本 僕はこのブログでは 読んだ本 ぜんぶ紹介するんじゃなくて オススメだけ紹介するつもりなんだけど この本は例外。

 

 

書籍版は ちょっと高い。

電子書籍は 次期iPadまで 待ったほうがいい。(あと 寂しさが漂う)

 

ということで しばらくまって 文庫や図書館 次期iPadで読みましょう。

(村上龍さん スミマセン)

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