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2010年12月12日 (日)

映画 「ノルウェイの森」

3

そのころ、まだ 福岡から大分の別府まで 高速がつながっていなかった。 
だから 大学生のころ、僕は高速をおりて 国道を延々とすすみ そして湯布院、安心院、城島高原ってよく行った。時間はあった。お金はそんなになかったけど、でも 今の大学生とかと比べると めぐまれていたとおもう。稼ぐ手段がいっぱいあった。 

 

 

そして もちろん 当時つきあっていた彼女もいた。

 

 

二人で でかけていったわけだ。 そして 二人で話しをする話題も 延々と続く国道の道のりでは足りないぐらい 話をすることがあった。 いまからおもうと 夢のような日々だった。
(※ 数年後に僕はその彼女から、痛烈にふられることになるんだけど それはまた別の話(笑))

 


映画「ノルウェイの森」ででてくる 阿美寮のまわりの美しい景色は 湯布院、安心院、城島高原の景色と重なった。そして 当時の夢のような日々と ワタナベくんが 過ごした夢のような日々が 僕自身の中でシンクロしていった。
スクリーンで見ている景色が 僕自身が体験した景色のようで なんだか胸がつまる想いがした。 
だから、そのあと直子が死んだあとのワタナベくんの哀しみも同じように迫ってくるのかな?とおもったら そうでもなかった。

 

 

それは たぶん 直子が死んでしまうということを僕が知っていて ワタナベくんは知らないということが 一番の理由じゃないかなとおもう。
ワタナベくんは物語の中の人なので 当然知らないんだけど 僕はこの原作をなんども読んでいて どうなるかよく知っている。でも それ以上に 僕は もうすでに 「そういうものはなくなってしまう」ということを知っている年齢なんだ ということが大きいとおもう。
ワタナベくんの哀しみが すでに自分のものとしては とらえられなくなっている年齢なのだ。

 


ただ、実は 正直いうと そういうことって 別に僕にとってはどうでも良いことで わざわざお金をはらって映画をみてわかる必要はない。
それなりに 「そうか もうすでにそんなに若いわけではないのだな」とか おもわないでもないけど その程度のことであれば 普段から いろんな場面で感じているので(笑) 映画をみて悲しくなる必要なんか全然ない。

 

 

僕がこの映画に期待した点は ただ1点。

「村上春樹がOKをだした 映画が はたして小説と同じように 心に響く映画になっているか?」

という1点だけで そして 多くの人はそれを期待して 観に来たんだとおもう。

 


そして その期待にこたえる映画なのか? と聞かれると 正直ちょっと 難しいかもしれない。


原作を読んで 感激した人は その感激を超えるものは映画には見つけられなかったはず。
同じように 原作を読んで泣けた人は 同じように泣けたかというと 泣けなかったはず。
つまり 原作を超えてはいるとは ちょっと簡単には言い難い映画ではあるとおもう。

 

 

ただ フィッツジェラルドの「華麗なるギャツビー」が ロバートレッドフォード主演の映画で その「立体感」が増したように 今回の映画化で ノルウェイの森の映像のイメージというのは 良い意味でクリアにはなったんじゃないかな。

 

 

つまりは そういう 映画なんだとおもう。
小説「ノルウェイの森」を補完する映画。
それ以上でも それ以下でもない。
それ以外に どんなふうに ものすごい数の人それぞれに 思い入れのある小説を映画化できるんだろうか?
こういう描き方しか できないはず。

 

 

2

トラン・アン・ユン監督は 本当に繊細にデリケートに撮った雰囲気が色濃くでていた。これだけの作品だから 映画化そのものも困難だったとおもう。
でも 困難さを 丁寧にひとつひとつクリアしていくような それこそ村上作品のように 映画を撮ったのが感じられて 映画体験としてはとても気持ちがよかった。

 

 

ワンシーンワンカットというほど、厳密ではなかったとおもうけど 基本的にカットは割らないで 回していたからゆっくりシーンに入りこめた。 これはこの映画の秀逸なぶぶんだとおもう。

 

 

松山ケンイチは 文句なくいい。というか、ハマり過ぎで印象が弱いとさえ感じる。それぐらい完璧。ミドリ役の水原希子は、この映画で最高のキャスティング。今はモデルらしいんだけど 今後100%ブレイクするとおもう。ミドリの瑞々しさ、残酷さを とても素敵に演じているとおもう。

 

 

菊地凛子は 僕はとても好きな女優なんだけど 直子役としてみれば どうかな。これは全然わからない。よかった気もするし そうじゃない気もするし。ただ 直子役って 誰がやっても 何かいわれる役どころだよね。

 

 

端役の 糸井重里や高橋幸宏、細野晴臣などもふくめて キャスティングは 完璧。とくに女優はいい。 たぶん凄く神経つかったんじゃないかな。


映像美は 本当に秀逸で 画面がきれいで とても気持ちがいい。頻繁にあるベッドシーンだけど 抑制がきいていて(ヌードシーンはワンカットもない)物語を邪魔しない。

 

 

4

もう1回みるか? といわれれば たぶん もう1回 スクリーンでみる。
DVD化されたら また見る? と聞かれれば 結局 また見るとおもう。

 

つまりは 僕にとっては それだけ 「ノルウェイの森」というのは 特別な作品なので 正直 出来不出来とかどうでもよくて その世界に入りたいときには  これから先 映画をなんども 見返すことになるんだとおもう。

 

そして 何回もみる映画として 僕にとっては とても好きな映画のひとつになっていくはず。

そういう映画なんだとおもう。

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